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type2. 100%ネイティブ講師 ⇔ 日本人講師 |
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■サービス提供の上で講師の質は絶対といえる。教室が狭かろうが、受付のサービスが悪かろうが、講師が信頼に値し、適切な教務を行ってくれればそれ生徒はある程度なら我慢して通ってくれる。
そしてその講師のタイプには2種類の類型がある。 正確に言えば、日本人の講師を採用するかしないかによって、カリキュラムやサービスの内容がはっきりと変わる。
日本人を採用しているスクールに多い理論は、以下の2つに集約される。 |
100%ネイティブ講師 | 日本人講師も採用 |
NOVA | ジオス |
リンガフォン | ECC |
ベルリッツ | ラド |
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- 同じ日本人として日本人の弱点と学習方法の長所を理解している
- 初心者の不安を取り除き、初級者へのスムーズなステップアップとして採用している
ここから導き出されるメリットは、英会話をはじめたいという顧客に対して、全面的に「安心感」を打ち出せるということだろう。教務の面からもいきなり大海に放り出されることがなく、ステップアップをしながらバトンタッチをするという面で非常に効率がいい。
日本人の講師はまた、例えば発音など、ネイティブが実例でしか示すことができないものを細かく「舌の位置はどうで、発声のポイントはどこだ」というように、具体的に示すことができる。
また、日本人の講師は当然ながら日本語でコミュニケーションを取ることができるので、経営上において、広い視野さえあれば学習面を任せることもできる。経営者として信頼の置ける人物に1つの分野を任せることができるのは、時間的にも経営的にも大きなメリットとなる。
このようなメリットはスクールのサービスとして大きなメリットといえる。
■ネイティブ講師のみで運営を図るスクールの特徴は以下の3点に集約される。 - 常にネイティブと正しい英会話に触れることのできる環境
- 正しい発音と文法
- 言葉だけではなく、文化に触れることができるという側面
マーケティング上有利であるのは、顧客に対して目先の利益として「ネイティブ」→「だからしっかりとしている」という単純なものもある。
しかし、レッスンという教務面から見れば、日本語に頼らないことによって生徒自身の責任感や、学習意欲を促すということもあるし、何よりも明日ネイティブと話さなくてはならないという環境なら嫌でも自覚が芽生える。英会話をやっているんだという感覚もしっかりと身につくだろう。
3つのポイントにしても日本人では不可能であることに偏っていることを考えれば、それだけでメリットであるといって差し支えない。
ただし、顧客が期待する部分は別にもあり、ネイティブだということ自体が、イコール「今までの学校教育のような勉強ではあるまい」という、一種の信仰に近い感情を抱いているということだ。
これは十分に特筆していいメリットである。 ■ただし、どちらもそれなりの欠点があるので、既にどちらかを採用しているスクールも、これから採用するスクールも研究と改善は必要だ。
日本人を採用している場合 1.生徒が日本語に頼るため、レッスンが早い段階で馴れ合いになる 2.日本的な教務方法で生徒にレッスンを提供するため、飽きられる
3.いつまでたってもネイティブと話すチャンスに恵まれないためにモチベーションが下がる 4.逆に日本人講師の方が楽なのでネイティブと喋る気がなくなる
ネイティブ100%の場合 1.疑問点が納得のいく回答で解決されない 2.カリキュラムを遂行すると日本的な教務方法になる場合、結局意味がない
3.正確に上達率を測ることが難しく、生徒の希望に添ったレッスンを提供できるとは限らない。 4.経営陣とのコミュニケーションに不安があり、経営方針がサービスに反映されない
■サービス面においてはどちらがいいとは一概に言えない。 むしろスクールの方針としてどのようにしたいのか、が重要なキーとなる。
NOVAが設けているVOICEは気軽に手軽にしゃべれるというメリットを満たしているが、しっかりとわからないところまで教えてくれるという環境は満たしていない。
しかし、講師がネイティブであることの特性は掴んでいるので、これなどは成功例であるといえるだろう。ただし、同社で行っている通常のレッスンはテキストやカリキュラムがオーディオリンガルアプローチの頼ったもので、このレッスンを遂行するなら別に日本人でもいいと言うことができる。こちらは失敗例だ。
日本人を採用しているなら、どの時点でネイティブにバトンタッチするのか、バトンタッチしたあとのレッスンはネイティブの特性を活かしているのか、といったところが重要だ。
しかし、残念ながら、まだ完璧に成功しているケースが少ない。 ECCやジオスなどは稀に日本人講師の質が非常に高いために起こる欠点が顔を出しているケースも少なくない。
こちらを採用するのであれば、日本人講師とネイティブとの位置関係、それぞれのカリキュラムの差をスクール側が線引きする必要がある。
■最後に理想的なケースとして7アクトを挙げておく。
このスクールの形式はそのものが変わった手法なので参考にならない部分もあるかもしれないが、通常は講師として募集するような英語を喋れる人材を営業員として採用しているところに特徴がある。
営業の段階と契約後の段階で日本人特有の弱点などを「知識」という形で伝えて日本人としてのメリットを発揮し、レッスンではネイティブとのメリットを使うという両方向性がある。この方法であればどちらものメリットをそれなりに享受できる。
最後にはスタッフがどのような人材であるかと共に、スクールの方針がどうなのかというところがサービスの根底だから、このあたりを定期的に力を入れて見直す必要性は非常に高い。
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