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受付の対応が集客と顧客信頼を左右する 2001年9月15日 |
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インターネットのブロードバンド化で通信速度が速くなり、巷ではone
to oneマーケティングがさもあたりまえのように叫ばれる世の中になった。 この流れに先行するような形で、NOVAが9月1日よりお茶の間留学の24時間化を開始した。今後の展開が注目される。
しかし、今のところ多くの英会話スクールを支えているのはやはり現場のアドバイザーやカウンセラーだ。多くの場合、このポジションには20代の女性が抜擢され、受付カウンターに配属されることが限りなく多い。
そしてこれも限りなく高い確率で、彼女たちにはノルマが課せられ、集客に力を注がなくてはならない。 サービス業であると共に、営利目的の企業活動であるから、営業職の社員にノルマが課せられるのは当然のことだ。そのくらい気合を入れていかないと、会社の存続そのものが危ぶまれる。
しかし、逆説的に見るとこのノルマが営業社員に透明な重石を乗せ、プレッシャーに弱い社員や、モラルの低い社員が悪徳勧誘をはじめだすことになる。
こうなると結果として強引な勧誘をして、尚且つクレームを出さない客を掴んだ社員がすばやく力を発揮し、昇進も早い。 昇進すれば社員教育も必然的に任されるから、その教育のあるべき姿は容易に想像がつく。
こうなった時点で、特に中小のスクールは非常に厳しい状況に立たされる。大手のスクールを抜け出して独立を果たした者が、1,2年後には資金繰りが厳しくなって倒産するのは結局このような営業スタイルに問題が残る。
ではなぜ大手の英会話スクールがそれでも尚力強くそびえ立っているのかというと、そもそもの宣伝広告費に掛ける金額と、マーケティング力の差だ。
このような現状は反面、いかに日本人のサービスを見る力がないかを示すものといえる。 「テレビでコマーシャルをしているからきっと安心だろう」という人が周りを見渡せば限りなくいるのではないだろうか。
≪対応の変革≫ 大手英会話スクールではしばらくはやや強気の営業手法は続くだろう。客の立場からすると手痛いことだが、消費者にも責任の一端はある。仕方のない部分は残りうる。
しかし、中小企業にとっては死活問題だ。私共のお客様の企業にも客が入ってきても、出て行くときも、立ち上がりもしない受付を雇用しているスクールがある。
かと思いきや、5名ほどの受付が満面の作り笑顔で暖かく(こちらは冷や汗をかいて)迎えるところもある。不気味なことこの上ない。 いまやはっきりと言えるのは、マーケティング力に差があるのなら、サービスで、サービスに自信がないのなら、せめて押し付けがましくない接客で応対しなくてはならない、ということだ。
目的はお客様に当英会話スクールを利用していただく(入会していただく)ことであり、営業手法のスキルではない。 現場の営業社員はこのあたりから感覚を変え、人間的に磨きをかける努力をするべきだろう。
相手がどういう対応を望んでいるか、どのような回答を欲しているか、ベースの部分から見直して実行しなくてはならない。 結局はそれがノルマ達成にもつながるのだから。
社員の具体的な接客方法や、モチベーションの持ち方は次回で詳しく書くことにする。 ≪スクールが勝ち取る集客と信頼≫ 受付はスクールの顔であり、鏡だ。顔と鏡が汚れているのに私は美しい、と思っているようでははっきり言って甘い。
今までの手法はとっくに通用しない。 また、営業社員の持ち上がったモチベーションを落とすことなどいともたやすい。
スクールが企業内システムを硬直化させればそれでいいからだ。 つまりスクールの経営陣に「何でもいいからノルマを達成しろ」という態度だけが根本にあると、結局は自転車操業と何ら変わりない。
社員のやる気が出るわけがない。 今こそ、顧客の信頼を勝ち取ることができるような接客に教育をし直すべきだ。 受付スタッフの教育は、収益を考えたとき、講師の教育よりもはるかに大切だ。
週に1度、月に1度でも時間を取って彼女たちの営業教育に対して時間を取ろう。 最後に、英会話スクールの経営者は是非覚えていただきたい。
顧客調査を行うと、このような結果が出る。それは、 「顧客が契約を決めるのは、講師の質ではなく、体験レッスンでもなく、内装でもなければ、パンフレットのつくりでもない。唯一、目の前のアドバイザーを信頼できると感じたときだけだ」ということだ。
(強引な勧誘を断りきれなかったとき・・・ということもあるかもしれないが・・・・・)。 |