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業界を斬る!コラム(6)
良質な体験レッスンを考えて・・・ 2001年12月1日
 
 ≪体験レッスンの大切さ≫

 女性コンサルタントとして、女性の立場から、そして顧客であるOLとコンサルタントの両面から英会話スクールのプレゼンテーションと体験レッスンを検証してみよう。

体験レッスンというものは、全てのスクールにあるものではない。

そして、消費者からすると驚くべきことだが、スクールの説明を丁寧懇意にプレゼンテーションした後すぐに体験レッスンを受けることができるスクールもあまり無い。
後者は、(英会話スクールのひいては企業側の理論だが)抱えている講師のスケジュールも考慮すると多少は、仕方ない部分もある。

 しかし、あえて顧客の立場から言えば、体験レッスンと言うものは「自分の入りたいスクールだったら必ず受けたいもの」だ。
スクール説明だけでは、絶対にレッスンの雰囲気はつかみ取れるはずが無い。
そして、スクールのマーケティング上も明らかに間違った方法なのだ。客が見たいと思っているということは、少なくとも「それがいいものならば入学したい」と思っているということが前提であり、ひいては売上を大きく左右するポイントとなりうる。

≪望まれる体験レッスンとは?≫

入会前に初心者レベルの顧客が受けたいと思う体験レッスンの形はおそらくこんなものだろう。
留学経験があり、英語を忘れたくがないためにスクールを利用しようと考えている講師のレッスン。
こちらは、賛否両論の場合もある。
しかし、初心者からすれば、英語で伝えきれなくて黙ってしまうより、多少日本語を使っても「言葉のキャッチボール」がスムーズに出来るほうが大切、ということになる。

 所詮体験レッスンはあくまで体験。顧客もまさかたった1回の体験レッスンで英語が伸びるなどとは考えていない。
レッスンの体験ではなく、総合的なスクールの体験に来ているのだ。
そこで、「恐さ」「恥ずかしさ」を拭い去って、「楽しさ」「伝わる嬉しさ」を感じ取ることができれば、レッスンそのものは多少の日本語が混じっていようが、極端な話雑談に終わろうが問題はない。

 それでもレッスン内容に執着するのならネイティブであることの武器を活かして発音に着目するといい。
当たり前のことだが、「英会話」を習いに行くのだからネイティブ発音というのは必須だ。(教育論の賛否は別として、発音にこだわりのある生徒というのは非常に多い。彼らの期待に応えてあげていいのだ。)
両方の言葉を理解する講師ならば、日本語が混じっていても文法的におかしければ、修正してあげるように教育をすればいい。
こういった講師ならば、日本語と英語の違いを一番理解しているので、学問的な解釈を与えてあげてもいいのだ。

 こういった理由から逆説的に、「人生の半分を外国で過ごしたような帰国子女の体験レッスン」というのは実は価値が高い。
日本人によくありがちな、「外人に対する英語コンプレックス」も柔げることができる。
そして、このように周到に用意され、好感を得ることのできた体験レッスンで、そのスクールに顧客は入会しようと思う。
しかし実際には、やはり普通の英語圏の講師が体験レッスンをするケースが多いだろう。
その場合に知っておくと便利であるのは、女性は特に「同姓を望む」ということだ。

これはただ単に、男性講師だと恐そうとか、話がないというだけではない。
やはり女性講師のほうがあたりがやわらかく、優しい雰囲気をもっているからだ。こちらの場合、女性と限定しなくても・・・という声ももちろんあるだろう。確かにそうだ。女性でも荒々しい人もいる。しかし、一般的にはやはり女性のほうがやさしい雰囲気を出していると顧客は感じる。

 先にも述べたが、体験レッスンを受ける気で来ている顧客でも、やはり、いざ外国人講師と1対1になると緊張して、知っている単語も出てこないということは多い。
そんな感情の変化をすぐにキャッチして敏感に動いてくれるのは女性だと思う。


≪最高の体験レッスン≫

 実際には、帰国子女や女性というものにこだわってはいられないだろう。
それは百も承知だ。
ならばせめて体験レッスンをする講師には日ごろから心遣いを、スクール側はその教育を徹底したいところだ。

 気が利いた、生徒のための体験レッスンを受けた「顧客」は心安らかに「生徒」になる、とはお考えにならないだろうか。